食品盛付け作業用の人型協働ロボットを開発するアールティ(東京都千代田区、中川友紀子社長)は、キユーピーのパートナー企業として2020年度の「革新的ロボット研究開発等基盤構築事業」に参画する。キユーピーの委託先として研究開発の一部を請け負い、惣菜盛付けロボットを低価格で導入するために必要な盛付け工程の見直しを検証する。
キユーピーが提供する惣菜とアールティのロボットを使って盛付け評価を行い、ロボットにとって適切な盛付け方法やAIによる認識、ハンドリングしやすい食材、包装容器の在り方などを整理する。それらに基づいた自動盛付けライン/システムとロボットの開発・評価を行う。評価に使用するロボットは人型協働ロボット「Foodly(フードリー)」とアーム型ロボット「CRANE-X7(クラインエックスセブン)」。
唐揚げの盛付け作業を行う人型協働ロボット「Foodly」(手前)
「Foodly」は人と同じ盛付けラインで隣り合って安全に作業ができる小柄な成人サイズの双腕ロボット。ディープラーニングを活用したAI搭載ビジョンの実現によって、バラ積みされた食材を認識してピッキングし、弁当箱やトレイの盛付け作業を1台で完結できる。実際の唐揚げ盛付け工程で食品工場と共同実証を進めており、実用化が近い。「人手不足の解消やソーシャルディスタンシングの実現が期待できる」(同社)。
「革新的ロボット研究開発等基盤構築事業」は日本機械工業連合会が執行団体の補助事業で、施設管理、小売り、食品製造の3分野を対象にロボットフレンドリーな環境の実現と、ロボットの実装モデルの構築をめざす。食品分野ではキユーピーを採択した。
サニタリに配慮したトング形状