冷食普及、事業者間交流等に取り組むフローズンエコノミーラボを今月発足した。反響が大きいという。幹事の矢野氏にラボと自社概況を聞いた。
矢野社長
―-共同事業体フローズンエコノミーラボ発足の反響は。
矢野 かなり多くの問い合わせをいただいています。大きな会社からも問い合わせがあります。幹事会社の当社を含め参画企業11社でスタート。3〜5年で100社参画の可能性はあります。問い合わせが多い理由に、Eコマースの広がりがあると思います。
―-消費者に冷凍食品を直接販売する業者が増えている。
矢野 冷凍食品経済の構造そのものが変わりつつあると捉えています。当社が取り扱っている商品は冷凍パンですが、パンといっても、趣味し好は多種多様です。スーパーの棚を争う形ではなく幅広いニーズに寄り添う形で、さらなる成長に向け、同業に限らず、異業種とも連携をと考えました。
―-今後の共同事業体のサービスに、2台目の冷凍庫利用を促す「冷凍庫レンタル特別プログラム」を組み込んでいる。
矢野 個人向け冷凍パン宅配サービス「パンスク」を自社で展開する中で、家庭用冷凍庫のスペースが足りない問題に直面しました。既に「パンフォーユーオフィス」では利用する事業者に冷凍庫を貸し出しています。そのアイデアをフローズンエコノミーラボで共有しました。今回のプログラムは冷凍庫レンタルをRentioが担います。
―-三菱地所も参画している。
矢野 冷凍食品の将来性を見込み参画いただきました。共有する大型冷凍庫付きのマンション開発など今後ありうるかもしれません。
―-パンフォーユーの概況は。
矢野 全国のパン屋から店自慢のパンが冷凍で届く「パンスク」の会員登録数は9月時点で1万人以上、新規登録は整理券配布中と伸びています。当社独自の冷凍技術で焼き立て状態のパンを届けます。自宅で好きな時に冷凍庫から取り出し、焼きたての味が楽しめる点をご評価いただいています。
―-独自の冷凍技術とは。
矢野 具体的に言えませんが、独自開発の袋と冷凍するタイミングがポイントです。日本食品分析センターの検査で、当社が取り扱う冷凍パンは、焼成後1日常温で置いたパンよりも品質が高いことが実証されています。パンスクの提携パン屋は全国各地の35店です。良質で独自性の高いパンと冷凍技術を組み合わせ、地域のパン屋、ひいては地域経済に貢献します。