【年頭所感】
「JAPANPACK2022」開催、課題解決策を示す
日本包装機械工業会 大森利夫会長

    大森会長

 2020年度のわが国包装機械産業の生産実績は、新型コロナウイルスの感染拡大による不透明感から、設備投資計画の見直しや先送り等により、対前年度比8.7%減の4308億円と11年ぶりの減少となった。今後、国内設備投資の自動化、省人化等の新たなニーズへの対応に加えて、成長する海外市場等においても、これまで以上に市場ごとの国際化戦略が求められる。

 ポストコロナ後の経済の見通しにはまだ不透明感があるが、包装業界は食品・医薬・日用品など人々の生活に不可欠な産業とともにある。特にこれまで以上に衛生意識の高まりから、より安全で安心な社会の構築のための役割が増している。

 一方で世界的な気候変動問題の高まりから脱炭素に向けた取り組みの動きも加速しており、特にプラスチックの資源循環への対応など包装業界を取り巻く環境も大きな変革期を迎えている。

 さらに包装機械を含めたものづくり産業を取り巻く環境はIoT、ロボット、AIなどの先端技術を活用しながら産業のイノベーションを起こしていくことが、製造業の進化につながる。その実現に向けては、企業・業界の垣根を越えた産官学の連携を強化し、新たな付加価値を高めていくことが必要と考える。

 わが国の包装機械産業はこのような変化に対応し、人手不足問題、環境問題、食料問題等のさまざまな社会課題の解決に向けて積極的に取り組む。このような社会課題には一組織だけでは解決が難しい課題が多く、さまざまな関連する企業・団体等とも協力して活動を進めることが重要。当工業会としても包装産業の技術高度化、人材育成、広報推進、国内外展示会等の事業を幅広く展開することにより会員のベネフィットにつながる事業の具現化と同時に工業会の価値向上に努める。

 さて、当会の最大のイベントである「JAPANPACK2022 日本包装産業展」は今年2月15日から東京ビッグサイトで開催する。最新鋭機器・技術・サービスの展示や製造ライン全体にかかわる最新トレンドを提供することにより、需要業界の課題解決策に向けた包装総合展としての展示会をめざす。リアル展示会としての内容の充実とバーチャル展への挑戦などの新たなビジネスの発展にも貢献していく。