副生バイオマスから発電・肥料製造へ

 味の素の九州事業所(佐賀県)はアミノ酸発酵の工程で発生する副生バイオマスを活用する技術などについて、佐賀市と共同研究を行う。
 佐賀市下水浄化センターで排水処理後の汚泥を原料とした肥料製造への活用や、同センターのバイオガス発電への活用のための共同研究を行う。これらの技術による廃棄物のゼロ化や環境負荷低減などについての評価を佐賀市が行う。
 同事業所が提供する副生バイオマスを活用した肥料はアミノ酸濃度が増加しているため、作物の品質向上にどのように影響するかなどについて科学的な検証を進める。副生バイオマスの利用価値をさらに追求し、バイオガス発電などの新規用途開発も目指す。
 両者はこれまでもバイオマス活用について共同で取り組んでおり、製造過程で発生するアンモニアの抑制による臭気低減など地域環境を改善する効果、副生バイオマスの活用による肥料中のアミノ酸含量の増加、この肥料を使った作物の品質向上などを確認している。
 同センターで生産した肥料は、佐賀市内を中心とした地域農家に安価で販売する。「地域住民→下水処理→地域農業→地域住民」という、企業と地方自治体の連携による地域バイオマス循環の好事例として注目される。

 フードエンジニアリングタイムス(FEN)2014年6月11日号掲載