東京パック開幕、過去最多700社が集結
【フォトルポ】無菌パックなど注目集める

 国内最大の国際総合包装展「TOKYO PACK2018」(東京国際包装展)が東京ビッグサイトで2日開幕した。隔年開催で27回目を迎える今回は過去最多の700社(2609小間)が出展している。
 会場では紙容器無菌充てんシステムや新型容器のガス置換トレーシーラーなど、フードロス削減や環境対応、生産性向上などの提案が注目を集めている。5日まで。
 初日の様子を写真で紹介する。

 主催する日本包装技術協会の藤重貞慶会長(左から4人目)は開幕式で「フードロス削減や
食の安心・安全への関心が高まる今日、包装技術のさらなる向上への取り組みは消費者に対す
る大きな命題だ」とし、「展示会では各社の果敢な取り組みに期待してほしい」と挨拶した。

 日本製紙は独自形状と口栓位置が特徴の新型紙容器「NSATOM」を出品。飲みやすさ、
持ちやすさ、中身の出しやすさを向上させた。さらにパートナー企業の四国化工機の充てん
システムで固形物や長繊維、高粘度に対応でき、無菌常温充填も可能になる。消費ニーズに
対応するだけでなく、フードロス削減に貢献する。

 四国化工機は「NSATOM 紙容器無菌充てんシステム」を新発表した。来年度の市場投
入を予定している。内部を二重チャンバー構造にすることで安定した無菌性を維持。さらに
世界で初めて充てん部に自動洗浄機能を搭載し、大幅な省人化を実現した。生産能力は毎時
1万2000本。

 紙容器充てん包装システムメーカーの日本テトラパックは日本未導入の口栓付き新容器「プ
リズム」を初公開している。8面体ボディで女性の手でも握りやすい。200/250mlサイズ
がある。このほか、FSC認証のエコ容器などのラインナップを展示している。

 フィルムパッケージ製造の彫刻プラストはトップフィルム型の新容器「エコルック」を展示
している。本体を斜めカットすることで視認性を向上させ、店頭に並んだ時にボリューム感を
演出。使用樹脂量の減量化にもつながる。また、大手コンビニに採用された独自技術(せいろ
パック)と組み合わせれば、レンジ加熱時の自動開孔も可能になる。

「エコルック」対応のガス置換シーラーは第一包装機製作所が開発した。トップシールはイン
ナーカット方式で見た目をきれいに仕上げる。ガス置換はフラッシュ方式だが、ポイントは独
自開発した2段モーション機構。これによって容器内の残酸素濃度は0.3%まで下げることに
成功した。フードロス削減で大きな効果が期待できる。

ストラパックは製函からインケーサー(自動箱詰め)、封函、段積み、梱包までの全自動ライ
ンを実演している。今回は食品業界向けに全機種をステンレス仕様にした。中でも梱包機は旋
回装置付きで、梱包物を90度旋回して十字掛けを行う。通常は梱包機が2台必要なところ1
台で行え、省スペース化を実現した