ソフトバンクがドローン物流実用化へ
自動航行で道の駅へカツオを運搬

 ソフトバンク(東京都港区、宮川潤一社長)はウフル(東京都港区、園田崇史社長CEO)、イームズロボティクス(福島県南相馬市、曽谷英司社長)の協力の下、高精度測位技術を活用したドローン物流の実用化に向けた実証実験を、和歌山県すさみ町でこのほど実施した。

 すさみ町の名産品「すさみケンケン鰹」を、水揚げした見老津漁港から約3km離れた「道の駅すさみ」まで自動航行のドローンで運搬することで、広域を移動する場合でも高精度に着陸可能なことを示した。イームズロボティクス製のドローンと、ソフトバンクの高精度測位サービス「ichimill(イチミル)」を連携して複数回航行。いずれの回も事前に設定したルートを自動航行し、誤差約6.5cmの精度で着陸した。

 すさみ町は実証実験の結果を踏まえて、ドローンによる鮮魚の運搬の実用化をめざす。また、災害時の支援物資の配送や、物流網に課題がある山間部の居住者への医薬品配送などでドローンの活用を検討する予定。

               ドローン航行の様子

ウフルの「売り子ール」を採用

 今回の実証ではPayPay(オンライン決済)に対応したウフルのモバイルオーダーシステム「売り子ール」を採用。消費者が「道の駅すさみ」内のレストランから自身のスマホで料理を注文することで、その内容が漁港の関係者とレストランのスタッフに届く仕組みを構築した。これにより、漁港関係者は水揚げしたばかりの新鮮な魚を注文に応じてドローンで運搬可能となり、レストランは届いた高鮮度の水産物を消費者に提供することができる。

 「売り子ール」は複数の店舗や受け取り方を混ぜて一括で注文・決済が可能。消費者のニーズを満たすとともに、市場における未利用時間の有効活用に貢献する。和歌山市中央卸売市場による市場食材の予約制テイクアウトの実証実験にも採用された実績を持つ。