ADEKAの前3月期決算で食品セグメントは売上高前年比1.2%増511億9800万円と伸びたが、営業利益は31.9%減24億1600万円と増収減益だった。
櫻井社長
櫻井邦彦社長は「バター風味豊かなマーガリン『アロマーデ』は製パン、製菓業界のニーズに合わせてシリーズを拡充し、市場で高い評価を得て、引き続き大きく伸長した。低価格化や昨年夏の猛暑による需要減少の影響もあったが、クリスマス商戦向けの需要は増加し、堅調に推移した」と語った。
しかし、「震災の影響で鹿島工場の生産設備を一部停止せざるを得ないなど、期末にかけて生産・販売量は減少した。利益面では、子会社の収益改善やコスト削減に取り組んだものの、原材料価格の高騰が収益を圧迫した」と説明した。
食品セグメントの2011年度経営施策として、震災影響で減少した生産、販売を回復させ、アロマーデシリーズや低トランス脂肪酸対応製品でシェアを拡大させる。また、アロマーデに次ぐ新製品の創出を図るとともに、中国やシンガポールの拠点と連携し、アジア市場で販売促進力を強化する。
油脂原料価格高騰への対応も図り、連結子会社の収益改善、コスト競争力の強化に取り組む。