食品添加物の新工場建設、生産能力を増強

 繊維製品メーカーのシキボウ(大阪市、尻家正博社長)は連結子会社で化成品事業(食品添加物製造)を手がけるシキボウ堺(大阪府堺市)に新工場を建設すると発表した。食品用増粘安定剤のブレンド(粉体の混合)製品の生産能力を増強するほか、工場内部を国内有数の高いクリーン度を備えた設計にし、品質向上を実現する。設備投資額は約37億円。操業開始は2025年1月を予定している。

 新工場は最新設備を2ライン導入し、ブレンド製品の生産量を最大で2.5倍に引き上げる。品質向上を図るために洗浄可能なサニタリー仕様の生産設備を導入したり、異原料の混入を防止するレイアウトにしたりする。BCP(事業継続計画)対策や太陽光発電システムなどの環境配慮も進める。

             食品添加物を製造するシキボウ堺

 食品添加物(増粘安定剤)は「健康志向」や機能性・利便性といった「高付加価値」のニーズを取り込むことで、高齢者向け補助食品などの機能性食品分野で需要増が期待できる。海外市場も「健康志向」は年々高まっており、さらなる市場規模の拡大が見込める。特にシキボウ堺が取り扱う食品添加物(増粘安定剤)はサステナブルな植物由来であり、需要は高まるものとみられる。

 シキボウは化成品事業(食品分野)を新たな中核事業と位置づけており、積極的に設備投資を行って事業規模の拡大をめざす。