「ノロウイルス」正しい知識と予防法を講演
ノロウイルスについて講演する片山教授
キユーピーは卵由来の抗ウイルス成分ノロクリアプロテインを配合したアルコール除菌スプレー「K Blanche（ケイブランシェ）」詰め替え用商品の新発売に合わせ、メディア向けに「冬場の衛生管理セミナー」を開いた。
感染症研究の第一人者で、北里大学北里生命科学研究所の片山和彦教授が「ノロウイルス 研究の進展で見えてきた本当の姿」と題し、ノロウイルスに関する正しい知識と予防法などについて語った。
片山教授はノロウイルスが流行する理由として感染力と感染経路を挙げ、耳かき一杯程度の便中に１億個以上のウイルスが存在し、100〜1000個が体内に入っただけで感染すること、酸に強く胃液では分解できないため、胃を通過して腸で感染することなどを説明した。感染経路は排泄物に含まれるウイルスが口や鼻から消化管に入ることによって感染する「糞口感染」であると指摘。そのため、最も効果的な予防法として食べ物に触る前の手洗いやマスクの使用を挙げた。
冬に流行する仕組みとしては、ノロウイルスに感染しても症状がまったく出ない「不顕性患者」が約10％の割合でいること、その不顕性患者によるウイルス維持で冬に体力の衰えた子どもや高年齢者が最初に感染し、人から人へと広がっていくことを解説した。
また、「人間は一度感染したら体内にウイルスの抗体ができる」（片山教授）が、何度も感染してしまう。その理由として、�．離蹈Εぅ襯垢砲錬気弔琉篥岨劵哀襦璽廚箸修譴召譴飽篥岨匏燭�あり、さらに亜型の違いまでを加えると膨大な種類に及ぶ。�△修里燭瓠▲Εぅ襯垢旅蓋兇�少しでも異なると、体内の免疫システムで抗体をつくるまでに時間を要し、発病を防ぐことができないと説明した。
片山教授によれば、最近の研究によって、小腸の細胞を取り出してノロウイルスを培養、増殖させることができるようになったという。現在は体内で増殖するさまざまな種類のノロウイルスに対して、アルコール消毒剤の反応や効果などを見る研究が進められている。
キユーピーの「K Blanche（ケイブランシェ）」は、卵白中のたんぱく質「リゾチーム」を加熱変性させた抗ウイルス成分を配合し、ノロウイルスを短時間で99％以上減少させるなど、感染症予防の効果を持つ。同社「アヲハタネットショップ」ほか大型雑貨店などで発売中。詰め替え用900円（税込）。