コープネット、工場点検管理課が活躍
生活協同組合連合会コープネット事業連合（本部さいたま市）は昨年１月末の天洋食品事件発覚後、５名体制の「工場点検管理課」を創設した。点検項目も追加し、昨年度は国内233カ所、海外３カ所、計236カ所の食品工場を点検した。今年度はさらに数を増やし、350工場の点検を目標に掲げている。
宅配商品部日配グループの草留嘉久バイヤーは「以前はバイヤーが工場を訪問し、トラブルが起きると品質管理担当者が工場に出向いていた。事件後、新たに専門部隊を設け、日常業務としている。点検は週３回のペースで実施し、日によっては朝から晩までかかることもある。協力するメーカーも大変だが、互いにレベルアップしていきたい」と語っている。
カタログで安全安心を訴求
コープネットは宅配事業で組合員に配布するカタログ紙面を使い、安全安心への取り組みについて天洋事件発覚以降、毎週１ページを割いてきた。検査センターや産地、物流センターの業務内容を写真付きで紹介するなど、信頼回復に向けて積極的にアピールしている。
今年５月１回分のカタログには、人気商品「洋食亭ガーリックハンバーグ」を製造する�螢侫譽奪�関東の工場点検の様子を掲載した。原材料、製造ライン、異物・重量、製造環境、帳票のチェック、点検後に問題点を共有し、その後作成する「工場改善計画報告書」を確認するまでの流れを、写真を交えて紹介している。
紙面でフレック関東製造部の松原直樹主任は「コープネットさんに多角的な視点から製造現場を確認してもらったことは、品質管理に対する意識の向上や改善にもつながるいい機会になった」とコメントしている。
５月１回分のカタログで工場点検の様子を紹介した
コープネットは、いばらきコープ、とちぎコープ、コープぐんま、ちばコープ、さいたまコープ、コープとうきょう、コープながの、コープにいがたの一都７県の８生協で組織する事業連合。商品・システム・物流・経理・人事教育などの共通基盤を一本化し、経営の合理化を図っている。