低温長時間調理でおいしさを演出

 アサヒ装設は海外で大量生産用として販売しているスパイラルオーブンを小型化し、低温長時間調理用の機械として「Pegasus Plus」を開発した。

           Pegasus Plus

 スパイラルにすることにより、焼成ラインが長いにもかかわらずコンパクトにすることができる。省スペースでありながら継続的で安定した調理により風味を保ち、食肉・魚介類をはじめ様々な食品の加熱処理ができる。
 多くのスパイラルオーブンは垂直流と水平流の気流のうちどちらかの方法で加熱していたが、同機では両方の気流を1つの庫内で作動できるので、食材に合わせて切り替え可能。垂直流は早い熱伝導でより強い表面焼効果を可能にし、水平流は安定した熱伝導で中心部まで確実に加熱する。
 ロータリーブラシ洗浄装置は運転中のコンベヤベルトを常に清潔に保ち、CIP装置を標準装備しているので簡単に庫内洗浄ができる。
 オーブンは内部を全部溶接する必要があるので現地で組み立てることはできない。自社で完成検査もするので、完成品として日本国内を運送できる最大寸法で設計した。
 同社では「これまでの食品加工は大量生産型にならざるを得なかったので、温度をあげて調理時間を短くする傾向にあった。しかし、そのような調理方法だとおいしい商品ができないという考え方になってきた。低温長時間で製造した方が、安定しておいしい商品が製造できる。ただ、従来の調理条件を変えなければならないので、このオーブンが浸透するまでには時間がかかると見ている。ユーザーと一緒においしい調理条件、レシピを開発していきたいと思っている。
 今のところ電気式だが、日本の食品加工現場ではガスが主体なので改良を進めており、来年の春ごろにはガスを熱源にして本格的に発売する」と語っている。