古河電工は環境負荷を低減し、軽量化するため、PETボトルを粉砕したリサイクルPETフレークを原料として、2倍まで発泡させる発泡成形体を開発した。
この発泡成形技術を用いることで、既存のPP(ポリプレピレン)樹脂の成形品よりも軽く、硬くすることができる。これによりPET再生材の使用用途が大きく広がる。プラスチック容器や家電製品などに使用されているPP樹脂成形品の代替として製品化を考えている。
PETボトルの年間販売量は59万5000t、2010年の回収量は42万9000t。その使用用途は再生材として繊維などにリサイクルされているが、依然として限定されている。
今回開発した発泡成形体は軽量性と高剛性があり、3次元形状に対応した精度のある成形体を作ることもできる。また、発泡には化学発泡剤を使用していないので、有害なガスや化学発泡残渣が残ることがなく、環境特性にも優れている。発泡倍率の変更や強化材の配合により、目的に合わせた剛性の調整もできる。
従来のPP樹脂製であった成形品をリサイクルPETの2倍発泡品に置き換えることで約30%の軽量化が可能。この場合でも、剛性PP樹脂の80%程度維持できるという。