「HI−COOK」ブランドを展開する食品加工調理機メーカーのアサヒ装設(石川県白山市)は自社のフライヤーにDENBA JAPAN(東京都千代田区)の油酸化抑制装置「DENBA FRYER」を搭載し、近く実証実験を開始する。連続調理でも酸化抑制や揚げ時間短縮などの効果が得られるかどうかを検証する。効果が確認できれば、連続式フライヤーでは業界初となる。
「DENBA FRYER」は電極を使った独自技術で油槽全体に電子を放出し「電子微細振動」を与える。食材内部の水分を活性化させることで水と油の結合を防ぎ、水分だけを蒸発させることができるという。
熱伝導率が高まるため低温で揚げることができ、低燃費や油の酸化抑制、揚げ時間の短縮を可能にする。このほか揚げ物の油吸収を軽減したり、発がん性物質のリスクがあると言われるアクリルアミドを抑えたりする効果もある。
導入先にはドン・キホーテや富士そばなどがあり、バッチ式のフライヤーでは効果が認められている。
アサヒ装設は数年前から研究開発に取り組み、電極の配置方法を工夫するなどして実用化に少しずつ近づけてきた。フライヤー内部を通電することになるため、実証実験では安全性も検証する。
同社の山本康太社長は「取引先からはいつできるのかと聞かれる。油が高騰しており、現場の期待値は大きい。今年中には製品化に目途をつけたい」と語る。
「DENBA FRYER」(DENBA JAPANのホームページから)