鹿島工場隣に医薬品工場新設

 日本水産は魚油精製拠点の鹿島工場(茨城)の隣接地に、医薬品原体・機能性脂質を製造する「医薬品工場」を新設する。2018年本格稼働予定。投資額80億円。ファインケミカル事業執行の関口洋一取締役常務執行役員は「つくば工場(茨城)で医薬品原体や機能性脂質を製造しているが、鹿島工場隣に新設する新医薬品工場は、つくば工場の進化系となる」と29日の会見で語った。

       関口常務

 新医薬品工場のコンセプトは(1)高EPA回収率(2)cGMP基準(現行のGMP基準)の品質管理(3)低EPA魚油からも生産可能――の3点。
 関口常務は高EPA回収率の利点として「原料選択性の拡大」を強調し、「すけそうだらやメンヘイデン(にしん類)など低EPA魚油からでも生産ができるようにする。もう一段高い回収率を実現し、コスト競争力や品質アップを図る」と語った。
 ファインケミカル事業の生産は鹿島工場、つくば工場、堺港工場(鳥取)で行っている。この他、グループでは北海道ファインケミカル(関係会社)、TN Fine Chemical(タイユニオンとの合弁会社)の拠点がある。

鹿島工場の外観