日本コカ・コーラは富士電機リテイルシステムズとともに、日中の冷却用電力ゼロを実現したピークシフト型自動販売機「A011号機」を開発した。製品の冷たさを保持しながら最長16時間冷却を停止し、冷却のための電力を、一般的に電力使用が「ピーク」となる日中から、比較的電力に余裕がある夜に「シフト」して使用する。
市場への本格導入に向け、猛暑で有名な埼玉県熊谷市、岐阜県多治見市周辺で7月2日から約2カ月間、フィールドテストを実施する。
従来の自動販売機は消費電力抑制のため、販売状況に応じて収容製品の一部のみを冷却していたため、冷却を長時間停止すると庫内の温度が少しずつ上昇していた。
しかし、「A011号機」は比較的電力に余裕がある夜間に収容製品の全量を冷却し、保冷機能を高めることで、長時間冷却を停止しても、製品の温度上昇を抑制する。また、真空断熱材をより多く使うことで断熱性能を高め、外気温の影響を受けにくくするとともに、扉の気密性を高める改良を行ない、冷気が逃げにくくする工夫を施した。これらの取り組みにより、政府の節電要請に応えつつ、冷たい製品を提供することができる。