アンリツインフィビスはX線検査機や重量選別機など、製造ラインには欠かせない監視測定機器を多数出展する。
長寿命タイプの「XR75」
X線検査機「XR75」は新開発の高感度X線センサーとX線発生源との組み合わせにより、検出感度を保ったままX線発生源を低出力に抑えることに成功し、高額消耗品であるX線センサーとX線発生源の寿命が大幅に伸びた長寿命タイプ。部品交換によるランニングコスト削減に成功した。
低出力のX線発生源で内部の発熱量を抑えたことと、特殊密閉構造の放熱ユニットを組み込んだことでエアコンレスのクーリングシステムを実現。消費で電力をエアコン付従来機に比べ約30%低減した。
透過画像に画像処理を加えることにより、混入異物だけでなく、商品の形状やパッケージの状態などを検査できるX線検査機。食品製造ラインで必須の検査機になりつつあるが、導入したくても、イニシャルコストやランニングコストが高いため、導入が見送られるケースがあるという。
高額部品の長寿命化と省エネ化で生涯コストを約20%削減した同機で、X線検査機を導入したいユーザーに訴求する。
医薬品用X線検査装置KD7490LYN
X線検査は異物混入の検査だけでなく、商品の形状検査、欠品検査、相対質量検査など色々な検査ができる。監視エリアを複数持つので弁当具材が1個、抜けていることを検査できるという。
FOOMAでは「噛み込み検査機能」について注力し、提案する。包装工程でシール部に噛み込んだ食品がX線を吸収し、X線センサーに届く線量が通常のシール部より少なくなる。その差を検知して噛み込みアラームを出す。同じ原理でシール部のシワを見つけることができる。
ブースでは、「XR75」だけでなく、医薬品の欠錠、欠品用に開発した「KD7490LYN」を用いた噛み込み検査の様子を実演する。
重量選別機「SSVシリーズ オートチェッカ」はマルチスレッドフィルターによる最適処理で2個乗りエラーを抑え、高精度を実現。2個乗り対処の特許技術「SMF」を搭載したタイプ。
SSVシリーズ オートチェッカ
通常ははかりで検知した信号のうち、安定した区間の信号をフィルターで処理し、質量計算する。従来の単一処理では、2個乗りが発生し、測定区間内の波形が乱れた場合、測定不能と判断。2個乗りした両方の計量品をNG排出していた。
SSVシリーズのオートチェッカは、はかり分解能などの向上に合わせて信号処理方法を一新。信号波形に対して複数のフィルターを用いる並列処理が可能になったため、2個乗りが発生した場合、測定区間の短いフィルターを適用して質量値を計算。強制的にNG品とせず、適正な質量判定を行なう。
動作確認や点検作業をわかりやすく案内する「スマートガイド」、初心者でも簡単に品種パラメータ設定やダイナミック補正ができる「品種登録ナビ」など、ガイダンス方式が充実した親切設計。正しい手順で行わないと次のステップに進めない仕組みになっており、確実な運用管理を支援する。
リアルタイムに作動状況を確認
オートチェッカ(重量選別機)の情報を最大限に活用できるように開発した「モバイルモニター」はオートチェッカから無線LANでデータを飛ばし、離れた場所で製品の重量値の傾向を見ることができるタブレット端末。
無線LAN接続のため、大がかりな工事が不要。工場内を走って伝えたり、大音量でアラートを鳴らすなどの必要がなくなる。
例えば、オートチェッカが測った製品の質量の傾向を監視して原材料の充てん量を調整することがある。充填機とオートチェッカが離れていたり、ゾーンニングを分ける壁があるような場合は、担当者が現場を行き来し、充てん量を調整するため、微妙な追い込みが困難だった。
このようなラインで「モバイルモニター」を使用すれば充填機のそばでリアルタイムに製品質量の監視ができるので微妙な充てん量の追い込みができ、歩留まり改善につながる可能性がある。
ブースでは小型充填機を用いたデモンストレーションを行い、使い方を見える化して、ユーザーにアピールする。