「トマト減塩食」の摂取で減塩効果を確認

 カゴメ女子栄養大学との共同研究で「トマト減塩食」の摂取によって減塩効果が確認されたとこのほど発表した。併せて行ったアンケート調査では「おいしい」、「調理が簡単」という評価が得られたとした。共同研究の詳細は4月発行の日本食育学会誌に掲載された。
 トマト減塩食は、味噌やしょう油、砂糖などの調味料を半分にし、代わりにグルタミン酸を含むトマトケチャップやトマトソース、トマトを使った料理を組み込んだ食事のこと。通常料理に比べて食塩含量を30%以上減少させた。
 試験は健康な成人女性を通常食を食べる群とトマト減塩食を食べる群に分けて2週間摂取してもらい、摂取前後の尿中ナトリウム濃度、カリウム濃度を分析した。その結果、トマト減塩食群の尿中ナトリウム/カリウム比の低下量は通常食群に比べて大きな値を示した。 
 ナトリウムとカリウムは人間の体内で血液と細胞の浸透圧を調節する重要なミネラルだが、食塩の過剰摂取で体内のナトリウムが過剰になると浸透圧のバランスが崩れ、血圧が高くなることが知られている。
 また、高血圧者では食事中のナトリウム/カリウム比が低いほど血圧が低いこと、食塩の摂取量が異なる世界各地の比較研究でも尿中ナトリウム/カリウム比が低いほど血圧が低いことなどが報告されている。今回の共同研究では尿中ナトリウム/カリウム比の低下を「減塩効果」とし、高血圧の予防・改善のための重要な指標として採用した。
 トマト減塩食の料理としての受容性を評価するために行ったアンケート調査では89.6%が「おいしい」と答え、調理の難易度については62.8%が「簡単」と答えた。
 こうしたことからカゴメは「トマト減塩料理はおいしく簡単に作れて減塩効果がある料理」と位置付け、香味改善やバリエーションの拡充と共にトマト減塩料理を使った減塩研究と普及を進めるとしている。