野菜工場を神奈川県内に開設
ＬＥＤ光制御技術でリーフレタス栽培
収穫前に紫の光を当ててビタミンＣを増量する
セブン‐イレブン・ジャパンはベンダーのプライムデリカ�蠅反斉狎邯�相模原市にセブン‐ イレブン向け商品専用の野菜工場を開設、来年１月稼働開始する。神奈川県内の一部店舗で「リーフレタス」などを販売する。11月28日、報道関係者に公開した。
野菜工場「相模原ベジタブルプラント」はプライムデリカが60億円を投じて建設した。７階建て、延床面積は7828�屐�
栽培するのは「フリルアイス」、「イノベーションレッドグラス」、「美味タス」の３品種でいずれもリーフレタス。玉川大学と共同開発した技術「ＬＥＤ光制御技術」により、収穫前に紫色の光を当てることでビタミンＣをより多く含む野菜を栽培する。種まきから収穫までの全工程に安川電機の自動化技術を採用することで省人化を図っている。
栽培室は１室当たり約340�屐�１月から稼働するのは２室のみだが、2020年３月までには全11室のフル稼働をめざす。フル稼働した場合の生産量は日産約３ｔ。現状、種まきから成長に合わせて苗を移植する工程は機械化を実現しているが、収穫作業は人手に頼っている。2020年３月までには自動化をめざす。
選別工程不要、無農薬栽培が可能
栽培室１室（340�屐謀�たりの年間生産量は、野菜工場の108ｔに対し、露地野菜が1.1ｔ。野菜工場は種まきから収穫まで38日間と露地栽培の２倍のスピード。しかも虫がつかず、異物も混入しないため、選別工程や農薬を不要にし、安定した品質が実現できる強みがある。収穫したリーフレタスは連結した隣の加工場に送ってすぐに加工する。
リーフレタス以外に、ほうれん草、小松菜、パクチーの栽培ノウハウはすでに確立しているため、今後の実用化は視野に入っているが、いちごなどの果実は基礎研究を進めている段階という。
セブン‐イレブン・ジャパンの古屋一樹社長は「企業の行動が社会や人、地球環境に優しいのかどうかが問われる時代になっている。廃棄ロスの低減など、我々が取り組まなければならないことを具現化した第一歩。工場を見て私も率直にすごいと思った」と語っている。
プライムデリカはプリマハムとセブン−イレブン・ジャパンが出資して1986年設立した。セブン−イレブン向けに調理パン、サラダ、スイーツなどを生産している。前３月期の売上げは約900億円。