ファイネットデータベース事業をインフォレックスが承継して一元化

 大手食品問屋が共同出資する情報サービス会社、(株)ジャパンインフォレックス(JII)が(株)ファイネットのFDB(ファイネットデータベース)事業を承継することがこのほど決まった。2社が別個に行っている商品情報の授受が一元管理されることになる。将来はシステムも統合する。

ファイネット小原専務(右)とジャパンインフォレックス西田社長

 来年4月1日付で、ファイネットはFDB事業を会社分割方式でJIIに承継し、JIIはFDB事業のシステムと取引先を従来通りの条件で引き継ぐ。
 情報授受の一元化以降もそれぞれのサービスを従来通り運用するが、システムの統合はJIIがFDBの業務の詳細を把握した後に、全体のシステムの案件と勘案して、あらためて時期を決める。
 「最初は2つあるデータベースを一つにする。しかし、それぞれ委託しているベンダーなどが異なり、いきなり一つにするにはリクスがある。そこで、運営を1社にまとめることから始める」(ファイネット小原応孝代表取締役専務)。
 一方、JIIの西田邦生社長は「(商品情報の)フォーマットは今でもFDBと連携しているので、4月1日からのデータの授受に大きな問題はない。しかし、FDBのユーザーに迷惑や不安を与えないことが重要であり、しっかりと中身を見てから統合する」と語っている。

承継後も2社は協力を継続・強化

 業界の業務の効率化への貢献が趣旨であることから、4月1日以降も両社は協力し合う。JIIはFDBの事業対価として株式を200株増資し、ファイネットに割り当てるとともに、非常勤取締役を1名受け入れる。ファイネットがJIIに経営参画することで、FDB事業の継続性と、メーカー・卸間のデータベースの運営・課題に関する意思疎通・協力体制を強化する。両社の協力体制により業界内の標準化がさらに進むことも期待できる。
 ファイネットは商品流通VANサービス事業と資材VANサービス事業について、これまで通り運営する。
 FDBはメーカーが商品情報を入力しており、その情報の10%ほどは今もインフォレックスのデータとしても使われている。一方、インフォレックスの加盟メーカーは約6720社と多いが、入力しているのは商品の約50%。つまり、商品の60%をメーカーが入力しているが、中小メーカーなど入力できない企業もあり、残る40%はJIIの参加卸7社が分担して登録作業を負担している。サービスと料金体系が統合されれば不公平感が出ることも考えられるが、インフォレックスのデータは出口が会員卸に限られるのに対し、FDBはそれがない。さらに、「メーカにとって付加価値が生まれるようにする等、色々な方策がある」(西田社長)ことから、混乱は生じないと見ている。