留め金なくし再浮上した魚肉ソーセージ
高品質のウラに、念には念を入れた徹底チェックと従業員の豊富な経験
日本水産 八王子総合工場（東京八王子） ＞３＜（Final）
ニッスイの魚肉ソーセージ。７つのこだわりが生きている。
�．▲譽襯�ー対応 ニッスイ独自の技術と管理で、アレルゲンの１つである「卵」を全く使っていない。卵アレルギーは食物アレルギーの中で子供たちに最も該当者の多い物質であることが文部科学省の報告でわかっている。親が心配なく子供に食べさせられる。
��環境への配慮 ソーセージの両端の留め金を業界で初めてなくした。分別のいらない「エコクリップ」を採用したことで、需要が頭打ちだった魚肉ソーセージの売上げを再び押し上げる大きな要素となった。
�Ａ悩爐悗里海世錣蝓仝粁舛惑鮨筏�と植物性素材。
�せ箸ぞー蠅里海世錣蝓覆修裡院法（�別いらずの「エコクリップ」とともに、ケーシングを開けやすくするため「めくっテープ」を付けている。
�シ鮃�へのこだわり カルシウムを豊富に含んでおり、「特定保健用食品」（トクホ）。
�Π多瓦悗里海世錣蝓，茲蠎�然な色合いの「トマトリコピン・くちなし」の色素を採用。
�Щ箸ぞー蠅里海世錣蝓覆修裡押法．宗璽察璽犬�むきやすいフィルムに2012年秋から改良した。
商品のキャッチフレーズは「あんしん！」、「おいしい！」、「ヘルシー！」とリズミカル。
原料処理工程
白身魚のすり身と天然調味料などを混ぜて練り上げる。原料の品質を保つため、一定温度を維持しながら、サイレントカッターで約30分練り上げている。
金属異物検査を経て、ケーシングに詰める。充てん速度は１分間に200本。気密性、耐熱性に優れたケーシング材を使っている。
次に、レトルト殺菌、冷風で乾燥、ピンホール検査を経る。レトルト殺菌は芯温が120℃で４分以上保たれるように、ソーセージのサイズに合わせて加熱時間を調整する。ピンホール検査は通電により、瞬間的に行う。
包装、重量検査、X線検査を経て、保管、出荷する。
充てんライン
原料の魚は鮭、ほっけ、すけそうだら、太刀魚など。魚種によって搬入する袋の色を変え、識別し易くしている。使用前日、１晩かけて−５℃前後まで解凍しておく。
練り工程を効率よくするため、原料をブロックカッターで細かく裁断する。原料処理の段階で金属検査と目視チェックは欠かせない。「特に輸入原料にはビニール片や金属異物の混入が見られる」（同社）ため。
サイレントカッターで練り上げた原料をホッパーに１バッチ分投入。練り工程では摩擦熱で温度が上昇しないよう、あるいはシャーベット状にならず、一定温度を保つように、スタッフは巡回しチェックを重ねる。
ミキサーで調味液と混ぜ合わせる。ここで魚肉ソーセージの特徴の１つであるピンク色に仕上げるため、天然色素のトマトリコピン・くちなしを加える。「元々はまぐろを原料にしていたので、自然にピンク色になっていたが、いまは白身魚が主体なので、天然色素を加えている」（同社）。ただし顧客の要望により、天然色素も使わない自然な製品も手掛けている、という。
ここで、金属探知機を通し、マグネットフィルター、メッシュ状のストレーナー（２mmの網目）で３重チェック。金属検査は樹脂製パイプを通しながら行う。テストピースを２時間ごとに投入し、検査精度を確かめる。「すり身製品は原料に由来するリスクが一番大きいので、何度もチェックを繰り返す」(同)。
レトルト殺菌工程
ケーシングに原料を詰める充てん機は毎分150本の処理能力。９台並んでいる。センターシールは高周波の発信で発熱させてとめる。スタッフは１人で２〜３台を担当。常に巡回しながらチェックを続ける。ヘルメットを着用している。レトルト殺菌、乾燥、冷却を経て、包装、保管となる。
朝７時から夜８時半まで操業。ニッスイを代表する製品が毎日生み出されている。
【魚肉ソーセージのトリビア】
ニッスイの魚肉ソーセージ「おさかなのソーセージ」は家庭に広く親しまれているが、実は南極の越冬観測隊隊員にとって、欠かせぬ使い方がある。
それは『屋外作業に出かける時、必ず携帯する』こと。
屋外で作業する場合、ブリザード（雪嵐）などに遭えば身動きできず、命の危険もある。そんな非常時に備え、身に着けるようになったんだとか。フィルムを開けるだけ、調理も不要。食べ慣れてるだけに安心感もある。
実際に、南極の屋外で食べると、魚肉ソーセージはシャリシャリのシャーベット状になるそうだ。日水の広報から教えてもらったトリビア話。
ラジオ文化放送の番組でニッスイの魚肉ソーセージを特集紹介した際は、パーソナリティを務める岡田眞善（しんぜん）氏が「これからはギョニソーと呼ぼう」と親しみを込めてリスナーに働きかけた。番組スタッフが市販されている魚肉ソーセージを買い集めて試食したところ「ニッスイが一番、と全員が評価した」ことも番組の中で紹介した。
パーソナリティの岡田氏は俳優、プロカメラマンも兼ねるマルチアーティスト。俳優岡田真澄氏の長男。
包装ライン