“冷凍食品が分かる”入門書、進化と技術、生産機械を紹介
冷凍食品の入門書とも言える「ぜひ知っておきたい 日本の冷凍食品」がこのほど刊行された。
ニチレイで入社以来一貫して生産畑を歩んだ野口正見氏と、農学博士の白石真人氏がそれぞれの視点で、冷食メーカーが海外進出で直面した安全問題や、食の洋風化・簡便化に寄与した冷凍食品と生産機械、冷凍食品の進化と技術――などについて分かりやすく解説している。
業界人、必読の書
また、冷食の主力ともいえるフライ製品に欠かせない“パン粉付け機”や成形機、フライヤー、スパイラルフリーザーなど品質の向上をもたらした機械・装置を紹介。さらに、生産機械だけでなく、５Ｓ活動の徹底に必要な工具や工具箱、ホースの収納のポイントなどもまとめている。
後段では、冷食の普及と発展に寄与したヒット商品として、昭和40〜50年代の焼売、餃子、ハンバーグ、コロッケ、えびフライの５品に始まり、うどん、ピラフ・炒飯、高級冷食「ホワイトパック」シリーズ、「骨なし魚」シリーズ、自然解凍商品など、ポイントとなった商品を１つひとつていねいに拾い上げ、開発の経緯やヒットした理由などを詳しく解説している。
最後に、今後の冷凍食品業界の３つの課題として、� 嵶篆�への信頼を取り戻し、天洋食品事件や冷凍野菜の残留農薬問題を再発させないこと」、�◆嵜�料自給率の向上という国家の目標に貢献すること」、��「消費量の減少に歯止めをかけ、成長路線に戻すこと。そのために、もっとおいしく、もっと便利な商品を開発すること」を指摘している。
幸書房刊、Ｂ６判229ページ、税別2400円。