密閉容器内を目標湿度に調節、ビーズ型調湿材を製品化

製品パッケージ、アズワンが「湿度調
整ビース」として販売する

 シャープは密閉容器を目標湿度に調節・維持できるビーズ型調湿材「TEKIjuN(適潤)」を製品化した。事業展開を本格化する。理化学機器・用品の卸大手、アズワン(大阪市)が「湿度調整ビース」として1日販売を開始した。

 「TEKIjuN」は乾燥だけが目的の乾燥剤とは異なり、容器内の空間を目標湿度に調節・維持できることが最大の特長。独自に開発した液体調湿材を樹脂にしみ込ませてビーズ状(固形物)に成形することに世界で初めて成功した。食品輸送や保管などで効果を発揮する。

 今年1月に発表して以降、微生物や青果物のバイオ・農業からセンサーやレンズなどの電子・光学機器まで、多岐にわたる分野の研究・開発者から「実験や試験に使いたい」との要望が多く寄せられたため、まずはビーズ型を製品化した。

 今回は目標湿度が約50%RH(相対湿度)、約70%RH、約90%RHの3種類をラインナップした。密閉容器の容積に応じて、粒径約3.5〜5.5mmの球状のビーズを容器内に適量置くだけで目標湿度に調節する。外気温の変化に伴う容器内の湿度変化も抑制する。

 また、目標湿度が異なる3種類のビーズを別々の密閉容器に設置することで、3通りの湿度環境を同時に作り出せる。これによって、同じ機材で試験を繰り返したり、高額な試験装置を複数用意したりすることが不要になるなど、作業の簡略化や時間短縮、コストダウンに貢献する。

 シャープは「最適湿度管理」という新たな需要を掘り起こし、事業拡大を加速するとしている。

             ビーズ型調湿材の「TEKIjuN」