焼津水産化学の低塩調味料、注目集める

 焼津水産化学工業が取り扱っている減塩と美味しさ両方を実現した低塩調味料「ソルケア」が注目を集めている。
 日本人の平均的な塩分摂取量は1日約11g。これは日本高血圧学会が推奨する目標値「1日6g未満」を大幅に上回っており、日本食は塩分の高さが指摘されている。そこでニーズの多さから様々な減塩商品が開発されているものの、味の物足りなさやえぐ味といった課題があり、減塩食品は病気回復や健康管理のために我慢して使うといったイメージが定着している。さらに、小売店では「割高」、「露出不足」、「回転率が悪い」といったイメージが強い。
 
 同社では天然原料から調味料を製造するリーディングカンパニーとして、低塩でありながら塩味そのままの美味しさに仕上げた「ソルケア」(低塩しお・しょうゆ)を開発した。
 低塩の塩は、塩化ナトリウムを減らす代わりに塩化カリウムを配合することで塩分をカットしている。しかし、塩化カリウムはえぐ味や苦味を持つため、これをいかにマスキングするかで味が変わってくる。

 同社の「ソルケア」は塩分を40%カット。天然物でマスキングし、塩化カリウムのえぐ味や苦味を完璧なまでに消すことに成功した。地元・静岡の量販店で「ソルケア」を使用した海苔の佃煮や味噌、トマトケチャップなどを集めた減塩商品コーナーを展開し、購入者の反応を調査したところ「減塩とは思えないほど味がしっかりしている」、「普段食べている減塩ではない商品と味が変わらない」、「他の減塩商品よりおいしい」と、高評価を得た。
 現在、大手食品加工メーカーのうす塩ハム・ソーセージや、コンビニの宅配弁当に採用されるなど、着実に実績を伸ばしている。

 付加価値商品の開発に悩む水産加工品をはじめ、おいしさに重点を置いた商品開発が進む介護食品など、様々な分野で「ソルケア」の活用が期待できる。塩分の調整はもちろん、味わいのある食品づくりをサポートする。