拡張・縮小コンベア、成型直後の“重なり”防止に
ケイズベルテックはベルト脱着式のサニタリーコンベア「ベルトッチャ」シリーズに、ベルト幅を拡張、縮小する機能を持たせた「スプレッダーコンベア」を新たに加えた。ＦООМＡで初披露する。
スプレッダーコンベア
ベルトを放射状に細かく、多条に張っている仕組み。蒸し工程や冷却工程の製品同士のくっ付きが懸念される場合に、その直前部に採用することで製品間を離すことができる。
「スパイラルフリーザーに投入するときに利用し、ハンバーグの重なり防止や投入幅の拡張・縮小する際に用いる。あるいは、チェッカーに入れるときの減列にも利用できる」（里薗勝成社長）という。
従来、ベルトで搬送時に製品を拡張・縮小する方法には振動コンベアがあるが、製品自体を揺らすため半軟質性のものには不向きだった。例えばコロッケやハンバーグ、クッキーの成型直後など振動を与えてはならない製品も多数あった。また、金属製の仕切りガイドをベルト上に配置し、製品を拡張する方法もあるが、ガイドと製品が接触してしまい、パン粉のついた製品には向いていない。
ベルト幅を100�亞板ァ塀名�）するのに、進行方向側の機長は750�个△譴仟弍�でき、場所を取らずにコンベアを配置できる。
ステンレス製のワイヤーベルトである「ＫＳＣ−Ｗタイプ」とウレタン製のラウンドベルトの「ＫＳＣ−Ｒタイプ」の２種類を標準化し、ユーザーはこのどちらのタイプからでも選ぶことができる。
スプレッダーコンベア
ベルトを放射状に細かく、多条に張っている
「ベルトッチャ」シリーズはベルトを脱着する際のベルト緩めは工具を使わず、片手操作のワンタッチ、わずらわしいノブを緩めて跳ねあげる操作を不要にした同社の主力シリーズ。ノブは緩めたままだと脱落し異物混入となる可能性が高いこと、作業者による復元性の統一化が困難だが、締め忘れなどのトラブルに対してもベルトッチャはその危険性を軽減する。
また、コンベアの脚元でもゴミ溜まりを少なくするため、全て丸パイプで構成された強固な片持ち脚を標準としている。
同シリーズに目視検査・検品機能を加えたコンベア「見逃さん蔵」を2010年にラインナップ。ＬＥＤ発光パネルを採用、ベルト下部から照射することで、食品中の異物を発見しやすくした。
ＬＥＤ照射はちらつきがなく、紫外線がないため作業者の目にやさしい。蛍光灯に比べ発熱がなく、寿命も４倍と長持ち。また、パネルはガラスカバーを採用していないので、割れることによるガラス飛散事故の不安を解消した。
「検品機能のＬＥＤバックライトとサニタリーコンベアのコンビネーションで、まさに名前のとおり異物を見逃さない構造を心がけた」（里薗社長）と語っている。