エスビー食品、グループ含む工場増設に135億円を集中投資

グループ含む工場増設に135億円を集中投資

　　　　エスビー食品上田工場の新棟

　エスビー食品は上田工場（長野県上田市）とグループ会社のエスビースパイス工業の埼玉工場（埼玉県松伏町）、エスビーサンキョーフーズ（静岡県焼津市）に、最新鋭の設備を備えた新棟をこのほど竣工した。埼玉工場から順次稼働を開始する。創業100周年にあたる2023年に向け、安全安心と生産体制を強化する。投資総額は約135億円。

　上田工場の新棟は建築面積2500㎡、延床面積9900㎡。家庭用・業務用の即席食品や家庭用練りチューブ製品を生産する。11月に竣工する。稼働は12月を予定している。

　原料の自動計量装置を導入するほか、他工場に先駆けてＩｏＴシステムを採用し、スマートファクトリー化を進める。具体的には設備の稼働状況を監視するシステムを使い、各種データを収集する。リアルタイムの稼働データは生産管理システムと連携し、ライン全体の進捗管理と阻害要因の早期解消に活用する。蓄積したデータを解析して設備単位で改善策を講じ、稼働率向上や安定供給につなげる。安全安心の強化策として密閉型製造設備を導入する。

埼玉工場は高速ラインを導入

　エスビースパイス工業（埼玉工場）の新棟

　埼玉工場の新棟は建築面積1300㎡、延床面積3800㎡。香辛料製粉や選別中間品、瓶入りコショーなどを生産する。10月に稼働開始した。香辛料高速製粉ラインのほか、最新の香辛料選別設備を導入して製粉効率と選別品質の向上に取り組む。室内の温湿度管理も強化する。

　エスビーサンキョーフーズの新棟は建築面積3200㎡、延床面積9400㎡。レトルトや缶詰製品を手がける。稼働開始は11月を予定している。レトルト食品のハラール専用ラインを設置したり、アレルゲンフリーに対応する。合理化・自動化による省人化も進める。

　３つの新棟では生産環境に合わせた清潔区を明確化にするほか、フィルター処理した外気による陽圧管理や入退場セキュリティシステム、ＬＥＤ照明を導入する。

　　　エスビーサンキョーフーズの新棟