農林水産省は農地土壌の放射性物質除去技術について、現場で除染事業に携わる人が安全で効果的・効率的に作業できるよう、具体的な作業の手順や留意事項などを手引きとして取りまとめた。
(1)基本的な表土削り取り、(2)固化剤を用いた削り取り、(3)牧草地などの表土剥ぎ取り、(4)水による土壌攪拌・除去、(5)反転耕――の5つの技術について、事前の作業、具体的な除染作業の手順、準備する用具や機器、留意事項などを説明している。
巻末では、放射性物質による汚染濃度が低レベルな場合に効果的な反転耕を実施する際の機器の選定や留意事項について詳細に解説するとともに、空間線量率から土壌の放射性セシウム濃度を推計する際の参考として、土壌の放射性セシウム濃度と空間線量率の関係について解説している。
同省は国の除染実施関係部局、地方自治体等関係機関に周知するとともに、厚生労働省が策定した除染作業の放射線障害防止のためのガイドラインと併せて、福島県内の農地除染に関係する市町村や除染実施事業者などを対象に説明会を開催する。また、現在行なっている実証試験などのデータの蓄積に伴い、手引きの内容を随時改訂する。