三菱重工と三菱ロジスネクストは無人フォークリフト（ＡＧＦ）を使ったトラックの荷積み・荷降ろしの実証実験を鴻池運輸と共同で開始する。場所は鴻池運輸の飲料配送センター。ここでトラックの荷役位置の検知試験やトラックへの誘導機能試験を３月から実施する。能力・安全機能の検証を続け、2024年３月までに実用化をめざす。

　まずはＡＧＦが倉庫の搬送コンベヤーからパレット積みされた荷物を取り出し、トラックの荷台へ積み込むまでを自動化する。将来的には荷物が載ったパレット（荷役台）をＡＧＦが自動で取り上げ、トラックの荷台へ直接積み込む一連の自動化システムを構築する。

　工場や倉庫などの屋内物流は自動化が進む一方、屋外で行うトラックの荷積み・荷降ろしは有人フォークによる作業が一般的となっている。これはトラックへのパレット積み込みにおいて、荷積みのスピードやトラックの停止位置、トラック内のパレットの設置位置などに高い精度が求められるためという。

　しかし、有人フォークによる作業は労働時間の適正化や慢性的な人手不足が課題となっている。さらに繁忙期ともなると、トラックの滞留時間が発生し、これが定時の搬出・搬入を妨げる要因の１つになっている。今回の実証実験はＡＧＦを活用して屋外作業の自動化をめざすもので、フォークリフトオペレーターの負担軽減とトラックの滞留時間削減につなげるねらいがある。