ファミマの丑の日商戦、廃棄額は8割減
完全予約制2年目、加盟店利益も増加

   店舗独自の売場演出例(東京都内の店舗)

 ファミリーマートは食品ロス削減に向けて季節商品(うなぎ、クリスマスケーキ、おせち、恵方巻など)の完全予約制に2019年から取り組んでいる。同社は今年の土用の丑の日商戦のうなぎ関連商品の販売結果をまとめ、8月24日公表した。

 完全予約制の実施2年目となる今年の丑の日商戦の販売金額は、完全予約制の実施前(2018年実績)とほぼ同じ販売金額(2019年対比約10%増)となったが、廃棄金額は約80%減少(同約15%減)した。これにより、加盟店利益は約240%(同約40%増)も大幅に増加した。本部利益は実施前並み(同約5%増)。

 同社は2020年土用の丑の日に向けて、6月8日〜7月27日までうなぎ関連商品の予約を受け付けた。今年は店舗独自で考案した売場演出を行うなど、地域密着の取り組みを推進。また、新たにスマートフォンアプリ「ファミペイ」でウェブ予約を開始するなど、より気軽に予約でる取り組みを行った。

おでんの販売見直しやガス置換包装の採用

 同社は持続可能な社会の実現に貢献するため、2030年と50年に向けた中長期目標を定めた「ファミマecoビジョン2050」を掲げ、食品ロス削減の取り組みを推進している。

 季節商品の予約販売強化に加えて、商品の発注精度の向上、ガス置換包装への切り替え、冷凍食品の売場拡大、おでん販売方法の見直しなどに取り組んでいる。

 惣菜シリーズ「お母さん食堂」の商品の一部に、通常のパッケージより鮮度を保つことができる「ガス置換包装」採用。また、冷凍食品の品揃えの充実を図ると同時に、売場の陳列棚の数を増やして対応している。中食商品に続く重点カテゴリーとして位置付け、冷食売場を順次拡大する方針。

 冬季に人気が高まるおでんの販売については、注文を受けてから電子レンジで温めて提供する販売方式を2020年1月に導入した。新方式では、パック詰めされた具材の賞味期限が180日と長期保存が可能で、食品ロス削減への大きな効果が見込まれている。