ボイスピッキングで仕分けミス大幅に減少
三菱食品 リクエ舞浜ＤＣ
三菱食品が展開する個人飲食店をメインターゲットにした業務用食材卸売サービス「リクエ事業」は、2005年10月のサービス開始以来毎年登録顧客数を伸ばし、19年には３万5000店舗を超える見通しだ。事業の拡大に伴い昨年９月、第２センター「リクエ舞浜ＤＣ」を稼働したが、ボイスピッキングを導入したミスの少ない仕分け作業で顧客の信頼を集めている。
３温度帯をバラ配送、時短納品
リクエ舞浜ＤＣの冷凍庫内
リクエ事業は朝４時までの注文を、当日中に配送する。１万点を超える豊富なアイテムを取り扱っており、商品の写真・価格表記のあるカタログ集を毎年更新している。冷凍食品を始めとする加工食品や青果・鮮魚などの生鮮食品、調味料、原材料、酒、消耗資材を一括受注・配送する。
リクエ事業のサービス提供エリアは、自社配送分が東京23区と神奈川県の川崎市・横浜市、提携卸が東京近郊の千葉・埼玉・神奈川をカバーしている。
リクエ舞浜ＤＣは千葉県浦安市千鳥12−22の成田運輸舞浜流通センター内。舞浜ＤＣの特徴は�。害硬拌咼丱藥妬�け（冷凍・冷蔵・常温をカタログに掲載している出荷単位〈バラ〉で仕分けし納品）��納品までの時間が短い（豆腐や卵などの賞味期限が短いアイテムも在庫しており、受注から納品まで短時間を実現）の２点。
センターは５階建てで、ドックシェルター12基（オープンデッキ）。マイナス75℃の超低温品保管庫もある。冷凍庫は自社で床上げして、結露を防ぐ対策を講じている。
賞味期限読み取り、警告機能も
スキャンするだけで商品データを読み込む
舞浜センターは、音声ピッキングシステムの導入により�＼源裟�・精度の大幅改善を実現��業務用食品を意識した設計で３温度帯バラ出荷に対応�Ｍ新鑛儔修紡弍�できる柔軟さ――が大きな特長。帳票、ハンディターミナルによるピッキング作業よりも高い生産性が確保でき、ハンズフリーやアイズフリーによる倉庫内の安全確保と作業スピードの向上を実現している。
システムは36カ国語対応だが、あえて日本語に設定。話者を特定するため、事前に声を登録している。作業者の経験値に応じて音声のスピードは９段階に調整できる。ディープラーニング機能付きなので、使い込むほど生産性がアップする。誤った商品をピッキングすると「該当商品ではありません」と警告が出る。また壊れやすい瓶製品、鶏卵などは、マスター登録するだけで、扱いを注意するアナウンスが流れる仕組み。
スキャナは賞味期限読み取り機能付き
装置は手軽に装着でき、作業者の両手が自由になるため「ピッキングミスが劇的に減ったほか、商品自体を大切に扱うようになった」（三菱食品フードサービス本部ロジスティク
スグループ）という。
システムとは無関係だが、割れやすい鶏卵はプラスチックパックの上からプチプチ付の緩衝材を自社で巻くことで、「ほとんどクレームがなくなった」（同）という。
庫内作業員が装着するのは、音声指示の送受信機能を持つ「ヘッドセット」と、入出荷や格納時のバーコードをスキャンする指装着の「リングスキャナ」（賞味期限読み取り機能付き）、入荷ラベルを出力する携帯型の「ポケットプリンタ」と、出荷ラベルを出力する設置型の「ラベル発行機」がある。
三菱食品のリクエ舞浜ＤＣ外観