食品工場改善設備展、9月に初開催

 食品産業センター、日本食品衛生協会は「フードファクトリー2015 食品工場改善設備展」を9月30日〜10月2日、東京ビッグサイト(西ホール)で初めて開催する。
 「フードセーフティジャパン2015」、「フードシステムソリューション2015」と同時開催。食品を製造する工場に焦点を絞り、品質管理担当者を対象に食品工場の改善・向上について提案する。食の安全・安心を揺るがす事件・問題が相次ぎ、信頼確保・回復のため、食品メーカーをはじめ業界各社が資機材・システムの導入、設備の更新に積極的になっている。また、政府もHACCP導入義務化を見据えた取り組みを進めるなど3展への期待がますます高まる環境にある。

食品工場改善をテーマにした新設展示会

 今年新たに開催される「フードファクトリー 食品工場改善設備展」は、食品工場の施設・設備の改善をテーマに、設計・エンジニアリングから温度・湿度管理、水関連、施設・設備関連、洗浄関連など、食品工場設備に関わる機器・資材が集結する。
 HACCPの義務化が進展するなか、食品・飲料メーカーの“工場改善”は必要不可欠なテーマとなっている。食品工場の新設はもちろんだが、改修の需要も多くあり、それに向けた提案が食品工場サイドから求められていた。
 出展を決めた企業からは、「食品機械ではなく施設にフォーカスした展示会は、まさに求めていたもの」、「食の展示会は数多くあるが、このような切り口は初めて」との声を寄せられているという。

HACCP義務化を見据えた提案

 相次いだ異物混入の問題をはじめ、食の安全・安心が改めて問われている。消費者からの食品の安全性向上と品質管理徹底への要請が強まるなか、商品を供給する食品・飲料メーカーでも事故を未然に防ぐなど、さらなる必要性が出てきている。国内のHACCP導入状況を見ても、大手メーカーは進んでいるが、中小メーカーが遅れているという現状から、厚生労働省はじめ国の機関でも、HACCPの普及に力を入れている。
 この状況を踏まえ、「フードファクトリー」が新たに企画された。従来から続いている「フードセーフティジャパン」は主な来場者として、食品・飲料メーカーの品質管理部門が多いのが特長。これに「フードファクトリー」が加わることで、関連メーカーの生産・工務部門や工場長・経営層など、今まで以上に「食の安全・安心」を訴求できる場となるだろう。

食品メーカーの要望盛り込む

 主催者と事務局では、同展の企画を進めるにあたり、来場者である食品メーカー数社へヒアリングを実施。食品工場の現場での課題が浮き彫りになった。「工場を新設して実際に運用すると、設計時点ではわからなかった課題が多く出てくる。動線の改善をはじめ、当初想定していなかった防虫の必要性が出てくることもある」、「製造ラインの改修はよくある。それらに必要な設備が集まる展示会をぜひ見てみたい」、「機械・製造ラインの洗浄についても情報がほしい」、「温度も必要だが、湿度管理の設備機器を見たい」など、同展に期待する食品メーカーの関心の高さが伺える。

要望に応える出展社が一堂に集結

 初開催の同展には、食品・飲料メーカーへ向け、さまざまなソリューション・機器が集結する。設計・エンジニアリング関連では、食品工場特有の課題解決の提案を切り口に建設を行う三和建設、食品工場の設計・監理の食品施設計画研究所が出展を決めた。また、大手ゼネコンである清水建設も出展を予定。洗浄関連では、洗剤ではなく、電解水などを使用した床洗浄機を提案するニチユ三菱フォークリフトのほか、洗浄機大手のケルヒャージャパンも出展する。ほかに、HACCP対応のエアフィルター、カビ対策の除菌剤など、食品工場に不可欠な展示が一堂に集まる。
 フードファクトリーでは、従来のフードセーフティジャパンでは展示されていなかったシステムや設備機器が集結し、来場者の関心が集まりそうだ。生産・工務担当者や工場長、経営層などの来場が今まで以上に見込めることになり、相乗効果アップも期待できる。

昨年の「フードセーフティジャパン」、「フードシステムソリューション」の様子。
今年は「フードファクトリー」が加わり、生産・工務担当者や工場長、経営層などの来場が今まで以上に
見込める。相乗効果アップも期待できる。