ベルトの蛇行を自動制御するシステム完成

 ヨコハマベルトはベルトの蛇行を無動力で自動抑制するシステム「YBPシステム」を完成させた。回転動力を伝えるプーリーの位置を機械的に制御することで、作業者が微調整しなくても通常稼働を続ける。ヒューコンがスチールベルトで初採用した。食品工場などに導入を呼びかける。
 従来、スチールベルトは蛇行しやすいのが懸念となっていた。通常はプーリーの位置をセンサーで感知してエアで制御したり、作業者がプーリーの位置を手動で操作して対処するが、作業者がベルトの稼働状況を常時監視しなくてはならないなど負担があった。

「YBPシステム」を搭載したスチールベルト

 同システムはプーリー内に球面軸受とゴムフランジを搭載して軸の動きを柔軟にした。スチールベルトの力を逃しつつ、ゴムで動きを滑らかにすることで安定的に駆動する。従来までの付属装置が不要となり、コンベヤの動力のみの省エネタイプ、無軸端構造によるコンパクトな設計が可能となった。
 また、片持ちコンベヤ構造を可能とし、簡単にベルトの脱着作業ができる。ベルト装着作業時の蛇行調整も不要なため、ベルト洗浄メンテナンスや交換作業時の手間を従来型より大幅に改善できる。「ベルトテンション(ベルトの張り)も容易に抜くことができ、コンベヤ稼動停止時などはテンションを抜いておくことでベルトの伸びを抑え、ベルト本来のコンディションを持続し、ベルト耐久性を改善する事でコストパフォーマンスにも優れている」(同社)という。

  スチールベルト(左)の他に、樹脂ベルト(右)にも導入できる