「ビズリーチ」や「キャリトレ」などの転職サイト運営会社ビズリーチをグループに持つビジョナル��（東京都渋谷区、南壮一郎社長）は、トラボックス��（東京都渋谷区、吉岡泰一郎社長）の全株式を取得し、完全子会社化した。運送会社と荷主を結ぶ国内最大級の物流データプラットフォームを運営するトラボックスと連携し、物流業界のデジタルトランスフォーメーションを推進する。
ビジョナルは２月３日にグループ経営体制に移行したばかり。前身の�螢咼坤蝓璽舛�2009年の創業以来、ＨＲ（人事）テック事業を中心に、ＩＴを活用してさまざまな事業を展開してきた。「ビズリーチ」や「キャリトレ」、事業承継Ｍ＆Ａプラットフォーム「ビズリーチ・サクシード」のほか、オープンソース脆弱性管理ツール「yamory（ヤモリー）」を昨年８月にリリースしてサイバーセキュリティ事業にも参入した。
今回の完全子会社化でグループの事業領域は物流に広がる。物流業界の市場規模は約25兆円と言われ、そのうちトラック運送事業の市場規模は約15兆円に達する。一方で、経済産業省のレポートではＩＴ化が遅れており、生産性を落としている分野と指摘されている。こうした中で課題解決に一緒に取り組む事業パートナーを探していたトラボックスと、ＩＴ技術を活用して事業領域を広げたいビジョナルの利害が一致した。
物流データプラットフォーム「トラボックス」に昨年登録された荷物情報は171万件に上る。ビジョナルの南社長は「この強いブランド力に当グループの強みであるテクノロジーやマーケティング力を掛け合わせて、物流業界全体の生産性向上に寄与したい」とコメントしている。