新型炒め機導入、炒飯・焼うどんが「変わった!?」

 トオカツフーズは横浜鶴見工場をはじめ、フレッシュ惣菜事業を手がける7工場に新型のフラット型炒め機を導入した。炒飯や焼うどん、ナポリタンなどの製造で活用している。高温、短時間で焼き上げ、仕上がりも「イメージ通り」(同社)と手応え充分。競合商品との差別化を図っている。

新型炒め機で調理している(足利工場)

 従来のドラム型炒め機は回転するため加熱温度にムラが生じ、製品温度の上昇に時間がかかる。しかし、釜を水平に置いた新型炒め機は常にガス火で加熱するため、製品温度の上昇が早い。30kgの焼うどんが6分、炒飯なら3分で調理できるという。
 同社と共同開発した加熱攪拌機大手の機械メーカーによれば、撹拌用の羽根は麺製品用にカーブを付けた棒状、炒飯用にはへら状の2種類を開発しており、他にもさまざまな形状の羽根を取り換えることで幅広いメニューに対応できる、という。焼うどんやナポリタンなど、麺の太さに合わせて釜の底面と羽根のすき間を調節することもできる。
 このすき間も重要なポイント。撹拌用の羽根が釜と接触しないため、異物混入のリスクを低減する。ドラム型やIH型炒め機と比べ、高温処理による短時間調理や丸洗い・完全洗浄できる点も新型機の強み。
 2012年に八千代工場でテスト導入したが、炒飯ならパラッと、焼うどんやナポリタンなど麺類では短時間でソースと絡み合い、充分な焼き具合に仕上がる。「イメージした通りの商品を作ることができる。今までとは明らかに違う」と大満足。2013年中に主力の横浜鶴見工場をはじめ、他の工場にも次々と導入した。
 今後も商品を差別化できるような新型の加工機械については「導入を積極的に検討したい」としている。

足利工場のサラダ棟は増床検討

足利工場サラダ棟の原料野菜菌洗浄室

 トオカツフーズは伸長するサラダ需要に対応するため、足利工場に第2工場となる生産棟を2011年増築した。同社の工場は関東圏を中心に9カ所あるが、サラダの専用棟は足利工場が初。しかも、新設を機に機能水を生成する設備も導入し、新鮮さを向上させたサラダ商品を提供している。
 サラダは横浜鶴見工場と狭山工場でも手がけているが、供給先であるコンビニエンスストアの関東圏出店拡大に対応しやすいのは足利工場が筆頭という。
 敷地内の空きスペースではサラダ棟増床も可能なため、今後得意先の出店計画に沿って検討する。

 フードエンジニアリングタイムス(FEN)2014年1月8日号掲載