夢洲物流センターが完成
横浜冷凍（横浜市、吉川俊雄社長）が大阪市此花区夢洲（ゆめしま）地区に建設していた「夢洲物流センター」が完成した。８日、現地で竣工式が行われる。
環境にやさしい最先端の技術を集結した「近未来型」の物流センターとして、東日本大震災以後、在庫の一極集中を避けて分散化させる荷主サイドの動きに対応。ヨコレイ関西地区における今後のネットワーク展開で、その役割が期待される。
ヨコレイ夢洲物流センターの外観
関西イノベーション国際戦略における総合特区指定エリアとなっている夢洲は、大阪市にとっても待望の産業・物流ゾーン。夢洲物流センターは敷地面積１万7098�屐�鉄筋コンクリート造４階建て（一部鉄骨造）、延床面積２万1884�屐⇔簑⊆�容能力２万5773ｔ（Ｆ級２万4929ｔ、Ｃ級844ｔ）。スクラップ＆ビルドではなく、新規に建設した物流センター。「高度な物流機能や保管環境をもたらす最新技術が数多く導入されている。数あるヨコレイの物流センターの中でも、まさに最先端を行く新センターが誕生した」と藤五俊治執行役員阪神ブロック長。
特徴は、庫内荷捌室やプラットホームにハイブリッドデシカント陽圧方式を導入したこと。「陽圧方式は外部よりも少し高い空気圧にすることで、ホコリや暖気の侵入を防ぐ。デシカント方式により低温でも効果的な除湿を行い、結露から商品を守る。これは既にヨコレイの他のセンターでも採用されているが、夢洲物流センターは、さらに荷捌室を低温化する際に発生する熱エネルギーを利用して除湿するハイブリッド化を実現している」（合戸勇一夢洲物流センター所長）。
コンテナヤードが目の前にあることから、輸入貨物はもちろん、冷凍食品やアイスクリームなど、あらゆる貨物に対応。保管庫は小口の荷物にも迅速に対応できる電動式移動ラックを採用し、入出庫時における温度変化による荷物へのダメージを極力軽減できる。
業界最大規模の太陽光発電システム（630kw）も話題。事務所棟の屋上を含め、トータルで2648枚 のパネルを設置した。自社利用のほか、営業冷蔵庫として初となる売電も行う。このほか電力管理にＢＥＭＳ（Building Energy Management System）を導入し、消費電力の「見える化」による最適化を図る。
太陽光発電した電力をリチウムイオン電池に蓄電することで万が一の場合でも機能停止しないようにＢＣＰ（事業継続計画）も確立している。
業界最大規模の太陽光発電