フロンティアエンジニアリングはポッカサッポロフード&ビバレッジと共同でDrink JAPANに「ジュール加熱殺菌装置」と「交流高電界殺菌装置」を出展した。
ジュール加熱とは食品に直接電気を流すことにより、体積全体に流れた電気をすべて熱に変換し、食品が自ら発熱する加熱方式のこと。
食品の体積全体に流れた電気がすべて熱発生するため、ムラがなく均一殺菌ができ、従来の加熱方式と比較して1/10の速さで目的の温度まで急速加熱するので、熱ダメージが少ない高品質の食品処理ができる。また、液体と固形が同時に熱発生するため、殺菌温度到達後の余分な保持時間が必要ない。
食品に流している電気を直接コントロールするため、温度制御の応答速度が速く、安定した温度で連続殺菌ができ、伝熱面の高温化がなく、加熱過多や焦げ付きがないため長時間運転ができる。
殺菌だけでなく、加熱調理や抽出など多くの用途があり、ポンプ輸送可能な全ての食品で使用できる。
固形用のジュール加熱装置もあり、板かまぼこやカニカマの製造に使用されているという。
意外なほど小さい交流高電界部
交流高電界殺菌とはジュール加熱技術を応用し、食品を連続的に交流高電界装置に通過させながら、高電圧を印加することで微生物に損傷を与え、高電界効果とジュール熱による発熱を利用した殺菌技術のこと。
農研機構、ポッカサッポロフード&ビバレッジ、フロンティアエンジニアリングの3社で共同開発した。
電界効果により、通常の熱殺菌と比較して1/30の熱履歴でも高い殺菌効果が得られ、極めて速く、0.1秒以下で瞬間的に温度上昇ができるため、熱による変色、加熱臭、機能成分の損失など、品質劣化を防ぐことができる。
FEN387号(3/2配信分)に掲載した「乳業界初、電気殺菌牛乳を発売」はこの技術を使用した、協同乳業の「農協牛乳」だった。
同社つくば研究所(茨城県龍ケ崎市藤ヶ丘7-23-25)ではジュール加熱による品質、殺菌状況の確認テストを随時実施している。