串団子のパック詰めをロボット化 タレ付け機能加える

 飯田製作所は、焼団子自動ハンドリングとパックインロボットを付与した「串団子自動製造ライン」をFOOMAで披露する。従来人手に頼っていた焼団子のパック詰めをロボット化する。今回は自動タレ付け装置を新たに加え、より生産性と省力化を向上させた。

ブースでは実演も、そのラインの正確さに魅了されるはず

 コンビニエンスストアやスーパーなどで多く見られる串団子(3本/1パック)の価格が定着している中、利益確保や省人化に貢献できるよう毎分最大60本の団子を生産、焼成、パック供給・詰めなど、一連の作業をロボットを組み込んで自動化している。
 自動製造ラインは団子製造機〜団子焼成機〜パック供給機〜パック搬送用コンベア〜ハンドリングロボットで構成。自動団子製造機に蒸した団子の生地と串を投入、出口部からは串に刺さった状態で排出される。団子の重量は設定変更で30g〜80gまで変えられる。
 出来上がった串団子は焼成機へ。キャタピラーのオーブンになっており、上火と下火であぶりながら搬送する。従来機ではキャタピラーのみだったが、今回はその上にテフロンシートを巻いている。
 テフロンを採用したポイントは2点ある。
 1つは衛生面。従来組み込んでいたキャタピラーには隙間があるため、そこに団子のカスや塗布していた油に数などが異物となって、製品に混入する懸念があった。また、2点目の利点として、テフロンシートを使用することで団子が付着しないため、油の量を軽減できる。テフロンシートはすぐに交換できるよう、簡単に取り外しができる。
 焼成機を経た後、ラインは2つに。パック供給機から搬送されるパックが、焼成された串団子を並走する形で流れてる。

 パック詰めの自動化の決め手となるハンドリングロボット。従来、人が行っていた作業をロットが行う。パック供給機と連動し、安定したパック入れを行う。
 ロボットライン省力化装置と団子安定ロール・コロガリ防止装置を備えることで、成型された団子を均一に整列させ、乗り移りを安定させることにより、常に焼き目を上に搬送する。
 さらに、今回は自動タレ付け装置を新たに加え、より生産性と省力化を向上させた。ハンドリングロボットの直前、焼団子はタレのカーテンをくぐる。その搬送部の下にはタレ槽を用意してあり、余分となったタレをそこに蓄え、ポンプで掬い上げて自動供給を繰り返す。串団子のタレは上面だけに付けなければならないが、搬送部にも改良を加えることで団子全体にタレが付かないないよう工夫を施している。
 「タレをつけた団子をロボットが感知して、串をつかみ、並走しているパックに詰めてあげるのが今回のコンセプト。タレ付けを自動化する直前までは昨年のFOOMAで披露することができました。“タレ付けも自動化してほしい”というお客様の反響が大きく、今回はそこに力を注ぎました」(同社)と説明する。
 
 焼成機から出てきた串団子。その直後の串は非常に熱く、それをつかむ工場スタッフの負担にもなっていたという。自動化はその負担を解消した。今回の披露で、さらに量産化を必要とするユーザーの声に出会うかもしれない。「まずは今回の新機種をアピールし、お客様の期待を裏切らないものにする。そこからが始まりです」。飯田製作所の挑戦は今後も続く。

 フードエンジニアリングタイムス(FEN)2014年6月4日号掲載