合弁でカット野菜製造会社、新工場に20億円投資
キユーピー（三宅峰三郎社長）は全国農業協同組合連合会（成清一臣代表理事理事長）と合弁でカット野菜など業務用の野菜加工品を製造・販売する�螢哀蝓璽鵐瓮奪察璽犬�12月３日付で設立する。キユーピーの生産技術力と品質力、全農の野菜調達力を最大限に生かす。
20億円を投じ、全農が所有する神奈川県大和市の敷地に新工場を建設する。来年10月から操業開始する予定。外食、給食など業務用のあらゆる販路を開拓し、売上高は15年に18億円、25年に100億円をめざす。
握手する三宅社長（左）と成清代表理事理事長
新会社は野菜の「グリーン」と想いを伝える「メッセージ」を組み合わせた。資本金は20億円。出資比率はキユーピー51％、全農49％。従業員は100名程度を予定。
８月27日都内で会見したキユーピーの三宅社長は「昨年はレタスが品薄で苦労した。安定調達を図るには全農の力を使うのがベターと判断した。互いに長い付き合いで信頼関係もある」と合弁会社設立の経緯を説明した。
全農にとっても、加工専用の野菜を低価格で大量に生産する新しいビジネスモデルと捉えている。
サラダ惣菜事業を担当するキユーピーの兵藤透取締役上席執行役員は「グループ会社の�螢汽薀瀬�ラブは市販用のカット野菜に取り組んで15年。菌数の管理や日持ちさせる技術などいろいろなノウハウがある。これらを業務用にも活かし、カット野菜全体のレベルアップを図りたい」と意気込む。
販売はキユーピーグループと全農グループのルートを使い、新会社がそれ以外の外食や食品メーカーなどの新規客を開拓する。
新工場の生産能力は製品ベースで年間約8000ｔ。25年までにさらに２カ所の生産拠点を設ける。新会社の代表者は未定。
両社によると、主要生鮮野菜の国内消費量は約1000万ｔで、年々減少傾向にはあるものの、食の外部化の進行に伴い、加工・業務用に使われる比率は1990年の51％から、2010年は56％と伸長しており、今後も伸びると予想している。