味の素とNTTが食習慣改善の仕組みづくりで協業

 味の素NTTはアミノ酸の研究開発の領域とNTTが持つデジタルツインコンピューティングを組み合わせて、一人ひとりの食事内容や血糖値などの各種データを取得、活用し、食習慣改善をサポートする仕組みづくりに取り組む。デジタルツインコンピューティングは現実空間にあるものをデジタルコピーしてサイバー空間上に表現する先進技術。このほど協業に向けた基本合意書を締結した。糖尿病や脂質異常症、高血圧性疾患などの生活習慣病の予防に貢献する。

 健康の3大要素を運動、睡眠、食事行動と捉え、これらを自然に実践できるようにするためのサイクルを両社の技術、ノウハウを組み合わせて構築する。

 たとえば、食事行動と生活習慣病リスク低減の関連性を見える化するために、 ウェアラブルセンサで血糖値プロファイル(傾向把握)などを取得する際に、食事内容の記録データも取得し、様々なバイタルデータを組み合わせて分析する。パーソナル要因に基づいた食事行動と生活習慣病リスク低減の関連性を見える化するとともに、この関連性に基づいたレコメンドによる改善効果を実証する。

 また、生活者の食のし好や価値観、食事内容の記録データをもとに、生活者の状況に応じたレコメンドを行い、食に関する行動変容、満足度向上につなげていくための仕組みを「食のWell beingモデル」と定義する。そのうえでNTT データが持つ食と健康のパーソナライゼーションを支援するAI技術や検証基盤を活用し、食とWell beingの関連性の解明やモデル構築を行う。

 まずは食事行動と生活習慣病リスク低減との関連性をパーソナル要因から見える化するための実証を開始する。その後にレコメンドによる個々人のWell beingと健康効果を最大化するための実証を進める。最終的には今回の協業で得られた知見とデジタルツインコンピューティングなどの先進技術を組み合わせてサービスプラットフォームを構築し、社会実装を実現することをめざす。