オカフーズの今5月期上期(6〜11月)の業績は売上げが横ばい、利益は為替変動分の価格転嫁が進まず減益となった。しかし、岡孝行社長は「現況を悲観的には捉えていない。むしろ事業全般の改善を図るチャンスと考えている」と前向き姿勢。売上げは9月頃から増収基調。在庫見直し効果は年初以降と見る。
岡社長
販売体制はエリア別から、市場別に分けた。
ベトナム・ダナンの協力会社が同社の融資で新工場を竣工し、昨年9月下旬から稼働を始めた。こうした取り組みが増収要因という。
この基調を維持すれば今期売上高63〜65億円(前期61億円)で着地見通し。利益も横ばいまで持ち直すと岡社長はみている。
昨年4月から本格的に販売を始めた冷凍加工の柔らか魚「ふんわり」シリーズ(中国・煙台の専用工場で生産)は伸び率が高い。原料調達を改善すると共に、下期も重点販売を行う方針。
ふんわり以外のブランド商品「骨取り切身百選」、「築地グリル亭」、「築地いか本舗」(いずれも冷凍加工品)も順調に推移している。
OEM生産(相手先ブランドで生産)のうち大口を2012年末に失った分、昨年年初から今期第1四半期までマイナスの影響があったが、以降は持ち直し予定通りの売上げで推移。
ベトナムの工場で製造した商品はパートナーと組み将来、東南アジアにも販路を広げる。
独自資本で上海に2011年12月に立ち上げた販社「欧珂(上海)食品有限公司」は新年度からの黒字化実現の見通し。
従業員が持つ知識や情報、会社への信用やブランド、仕組み等々を同社では「見えない資産」と呼ぶ。この1年をかけて「見えない資産」を見直し、足場固めを行った。その成果で来期以降、「次のステージへ成長できる」(岡社長)と見る。