日本缶詰協会は今年度の技術賞に、�“�細水滴を含んだ過熱水蒸気の殺菌効果の評価と食品調理加工への応用�▲縫鵐献鵐献紂璽浩渋い砲�ける耐熱性細菌芽胞の管理と最適殺菌条件の検討――の２本を決定した。ポイントは次の通り。
「微細水滴を含んだ過熱水蒸気の殺菌効果の評価と食品調理加工への応用」（ローズコーポレーション、農業･食品産業技術総合研究機構、食品総合研究所、タイヨー製作所、梅田事務所）
新しい加熱媒体（方法）である高温の微細水滴を含んだ常圧の過熱水蒸気（アクアガス）を使った調理加熱と殺菌効果を検討した。過熱水蒸気の持つ高い伝熱性と微少水滴による食品表面の乾燥防止、あるいは洗浄効果によって品質を保持しながら高温加熱が可能となる。耐熱性芽胞菌を使った試験でも高い殺菌効果が認められたという。
アクアガスを使った加熱では過熱水蒸気と微細水滴が混在するため、食品表面の水分損失、目減りを防ぐ効果が大きい。
アクアガス、過熱水蒸気、鍋とガス調理器による茹で加熱した豚角煮や牛すじ煮込みなど、それぞれ調理製品を保存し、菌数測定と官能試験で比較検討した。
その結果、アクアガス調理した製品では10℃５日間、25℃で２日間後も菌数増加を見ることなく、良好な食味食感を保つことが分かった。惣菜類などの加工食品の消費期限延長、安全性の向上が期待できる。
ニンジンジュースの製造において微生物学的安全性を確保するため、搾汁までの前工程と加熱殺菌という２つの重要な工程について調査を行い、管理要因を明らかにした。
ニンジンには土壌に由来する菌の汚染が考えられるが、搾汁工程までに検出されたのは中温性、高温性の好気性芽胞菌で、中でも高温性のものが多いこと、さらに製造開始から５時間後に10倍も増加すること、実際の工程では試作よりも10倍多く検出されたことを明らかにした。
これらの結果により搾汁工程で最も多く検出されたBacilluus sterarothrmophilusを管理指標とすべきことを提言した。
ニンジンジュースの加熱殺菌では耐熱性芽胞菌の殺減と品質保持を両立させるため、芽胞菌の耐熱性を科学的に検討して条件設定することが望まれるとしている。