昭和炭酸の09年3月期決算は下期に入り市場の急速な需要減少により出荷が減少し、売上高は260億3700万円で前期比1.7%減、営業利益は2億0600万円で67.2%減、経常利益は3億1700万円で56.3%減、純利益は8100万円で74.6%減と前期を下回った。
主要の炭酸ガス事業は、液化炭酸ガスで飲料用が一部飲料メーカーへの出荷増により若干の増収となったが、食品冷却用は需要先の使用方法の変更により引き続き減少となった。ドライアイスは夏季の天候に恵まれ、食品冷却と低温物流向けに需要は拡大したが、依然として販売価格の低下傾向が続き、金額は微増にとどまった。混合ガスは食品用、滅菌用ともに金額は増加。
この結果、炭酸ガス事業の売上高は136億8400万円で前期比0.2%の増収、営業利益は1億2500万円で69.0%の減益となった。
一般ガス事業は、窒素が飲料用と工業向けが増収となったが、バリ取り用と食品向けで減収となった。冷媒ガスは発泡向けが増収となったが、指定フロンと代替冷媒の販売が大幅に減少した。
この結果、一般ガス事業の売上高は58億8000万円で前期比6.6%の減収、営業利益は2800万円で74.5%の減益となった。
ガス関連機器とその他の事業では、バリ取り、食品関連機器などの売上げが減少したが、発泡設備や工場関係の受注による売上げが増加し、機器類全体では増収となった。
化成品は新商品向けが伸びたものの、既存の食品、飲料向けのフィルム加工品と包装副資材などの化成品が大幅な減少となった。
この結果、機器とその他の事業の売上高は64億7200万円で前期比1.1%の減収、営業利益は5200万円で53.9%の減益となった。
こうした状況を受けて、昭和炭酸グループは昭和電工グループと連携し抜本的な事業再編を現在進めている。次期にかけてこの連携強化を本格化する一方、事業再編のもう一つの軸であるドライアイス関連業務の効率化を推進し、製販の一本化を主眼とした事業形態の見直しに向けた諸施策を実施している。
昭和電工グループ内の産業ガス事業における中枢として64億円程度の売上げ増を見込むほか、ドライアイスの新規製造設備の導入に伴うコストダウンになどによる炭酸ガス事業の利益改善を見込んでいる。
以上により次期は、売上高250億円(前年同期比22.2%増収)、営業利益5億7000万円(12.9%増益)、経常利益6億5000万円(19.0%増益)、純利益3億5000万円(22.5%増益)を予想している。